「ポメラ」は思ったことをすぐに文章化できる
かけがえのない話相手です。オカヤイヅミ(漫画家)

純文作家の日常を描いたコミック「ものするひと」の主人公・杉浦紺さんと同じように、作者のオカヤイヅミさんも、「ポメラ」を使って創作活動をする方のひとり。10の質問に回答しながら、「ポメラ」とのつきあい方や使い方を語っていただきました。

漫画家・オカヤイヅミ

1978年生まれ。東京都出身。美大を卒業後、Webデザイナーとして勤務。2008年頃より漫画を描きはじめ、創作活動に入る。主な著作に『ものするひと』、『みつば通り商店街にて』(共にKADOKAWA刊)、『いのまま』(芳文社刊)、エッセイコミック『おあとがよろしいようで』(文藝春秋刊)がある。

↑『ものするひと』は、雑誌の新人賞を受賞後、警備員のバイトをしながら小説を書いている杉浦紺(30)が主人公。いわゆる“先生”でも“天才”でもない若き純文作家の日常を描いた、オカヤさん初のオリジナル長編作品。味のある作風と自然な展開が世代を問わず多くの共感を生みました
↑主人公である杉浦紺さんの感情を描く際など、作品の随所にさりげなく登場するのはオカヤさんが愛用する「DM100」。電池交換など、ユーザーならではの視点で描かれたシーンも必見です
↑「ポメラ」は立ったままでも入力できますが、オカヤさんは必ず椅子に腰掛けて使う派。モバイルで使う時も電車やカフェで入力をするそう

Q.1 「ポメラ」の存在を知ったきっかけは?

「初代モデルが発売された直後だと思いますが、ガジェットが好きで文章を書く仕事をしている知人が使っていたんです。パタン、パタンとキーボードが開閉できる折り畳み式タイプでした。PCと違って、テキスト入力に集中できる“単機能だからいいんだよ”といって、いつも持ち歩いていましたね。その人が使うのを見て“わぁ、いいなあ”と、思っていたのを覚えています。あれから10年が経ったんですね」

Q.2 なぜPCではなく、「ポメラ」を選んだのか?

「『ものする人』の連載が決まったことを、その知人に報告したら、『おめでとう!』と、プレゼントされたのが、この『DM100』です。ちょうど作品のストーリーなどをあれこれ考えていた時だったので、主人公の小説家が原稿を書く道具を、迷わず「ポメラ」にしました。体の大きい主人公がちっちゃい「ポメラ」を持つと絵になるし、昔の文豪タイプではなく、“いまのものを書いている”人を描きたかったので、原稿用紙に書くより、「ポメラ」で入力している方が私のイメージにしっくりきたんです。その後キングジムの公式Twitterで作品を紹介いただき、それが縁で単行本の帯まで書いてくれるとは、その時想像すらしていませんでした(笑)。PCだとついネットにつないで遊んでしまうので、入力に集中できるのはいいですね。「ポメラ」で小説を書いている方が多いと聞きますが、その気持はよくわかります」

↑頭の中に溜め込んだプロットやアイデアを、座れるところを見つけたら「ポメラ」を開き、ドッと吐き出すといいます

Q.3 選んだ「ポメラ」は?

「知人にいただいたのは、ストレートタイプの『DM100』です。子どもの頃からメカニカルなものが好きだったので、折り畳みタイプの“ロボ感”にもひかれていたのですが、入力することを考えると、キーボードがより安定する『DM100』の方が使いやすいですね。もともと私は文字を書くのが遅くて、消しゴムで文字を消すことが苦手だったので手書きではなくワープロを愛用していたんですが、「ポメラ」だと私の考えるスピードと同じ速度で文字が入力できるので、文章を書く時のイライラやストレスがグッと減りました」

Q.4 いつもはどういった場所・シーンで使っている?

「移動中にアイデアを思いつくことが多いので、外出する時に携帯して使うことが多いですね。大仰にならず、さり気なく使えるので電車内でも広げやすいんです。あと詰まったアイデアを無理矢理ひねり出すために、家の周りを目的もなくグルグル回っている時や、散歩に出かける時も、必ず持ち歩いていますね。ひらめいたアイデアはその場でメモするのではなく、近くのカフェに入り、椅子に座ってからまとめて入力しています。カフェに着くまではアイデアを忘れないよう、頭の中で推敲しながら歩いていくんですが、偶然そのシーンを目撃した友人によれば、よほど推敲に集中しているのか、その時の私は魂が抜けたような表情をしていたみたいで、『くれぐれも事故に気をつけてね』と心配されました(笑)」

↑「DM100」は乾電池で動くタイプ。「乾電池は、外出しているときにバッテリーがなくなってもコンビニですぐに買えるので、充電をよく忘れる私には合っているようです

Q.5 具体的に気に入っているポイントは?

「一番は、軽さとケーブルが要らないことですね。気軽に持ち運べるだけではなく、家にいる時もデスク以外のいろいろなスペースで使っています。寝転がりながらでも文字が打てるのは心地良いですね。使用感としてのお気に入りは、起動が早く、キーボードが広くて入力しやすいところ。書きたい時にすぐ使えるので、日常生活から創作活動へすんなり入り込むことができます」

Q.6 「ポメラ」に物申したいことは?

「使い始めて2年経ちますが、愛用している『DM100』を使っていて、不満はほぼないですね。『DM200』からは充電式になりましたが、ワタシ的には乾電池式に戻してもらえるといいなあと思うぐらいです」

Q.7 自分にとって「ポメラ」とは?

「ずっと「ポメラ」と一緒に仕事をしてきて、日々、思ったことや、感じたことを入力してきましたから、単なる道具やデバイスというより話し相手のような存在ですね。書き留めたアイデアや感情を反射する“壁”や“鏡”に近いかもしれませんね」

↑「ものするひと」のセリフは、「ポメラ」から生まれることが多いと語るオカヤさん。綴られた文章はUSBケーブルを使ってPCに移動し、ひとつにまとめていくのがいつものスタイル。短い文章であれば、QRコード機能を使って、パソコンに移していくそうです

Q.8 最近、「ポメラ」で書いた作品を見せて!

「『ものするひと』のプロットやアイデアをまとめる時には、必ず「ポメラ」を使っています。場面を考えて、セリフの応酬を書いていくこともあれば、文章でストーリーをパァ~っと綴ることもあります、もやもやした頭の中を整理する時に、「ポメラ」はぴったりですね」

Q.9 「ポメラ」への愛が冷めることはある?

「「ポメラ」を使うことがもう体になじんでしまっているので、ずっと冷めることはないと思います。「ポメラ」の良さって、単に新しい機能が追加されることではないと思うので、この慣れ親しんだ使い勝手があまり更新されない方が望ましいのですが……。でも、新しい「ポメラ」にかわったら、きっと喜んで使っている自分がいるんでしょうね(笑)」

↑オカヤさんと苦楽(?)をともに過ごしてきた「DM100」。お祝いの言葉からもグッとくる深い愛情が伝わってきました

Q.10 最後に、10周年を迎えた「ポメラ」にお祝いメッセージをください!

「「ポメラ」10周年とのこと。おめでとうございます。私は使い始めてまだ2年ほどと新参者ですが、ポメラには、日々、創作における自問自答の『壁打ちの壁』として日々目の前に立ちはだかっていただいています。これからも絞った機能と漫画にも描きやすいシンプルな外観を貫き通して末永く存在していただきたい、と勝手に思っております。オカヤイヅミ」

約2年間、「ポメラ」と一緒に描いてきた『ものするひと』がこの春に完結。現在、次回作の構想真っ只中のオカヤさん。主人公の杉浦紺さんに会えなくなるのはちょっとさびしいですが、これからも、「ポメラ」との“壁打ち”から生まれるさまざまな作品に期待したいですね。

オカヤイヅミさん、ありがとうございました!